教師紹介
〜ご挨拶〜
当教室のホームページをご覧いただきまして、ありがとうございます。
私は、幼い頃からクラシックバレエと、フランス文化と、幼児教育への強い関心を持ち、日本で幼児教育を学んだ後、1番の目標であったフランスのバレエ教師国家免許取得のために2014年に渡仏しました。道のりは決して平坦なものではありませんでしたが、9年間のフランス生活を経て、渡仏前の目標であった、『バレエ教師国家免許を取得する、そして現地で指導者としての経験を積む』ということは少なからず達成し、大学院修了(修士号)、バロックダンスの習得、コンテンポラリーダンスへの理解という予定外の大きな収穫も得ることができました。
フランスに残り生活することも選択肢にはあったものの、自分自身が目標としていたことを達成できた今、社会のために自分には何ができるだろう、と考えた時に、日本での方が広く様々な面で自分の力を役立てられるかもしれないと思い、2023年夏に帰国し教室の立ち上げに踏み切りました。
当教室の指導方針は、主に以下の4つです。
・アートとしてのダンス・バレエの指導
・子どもたちの感性と表現力を磨く
・フランス語・フランス文化に親しむ(同時に日本語、日本文化に親しむ)
・フランス文化省の指導方針に近いダンス・バレエ教育の提供(8歳までのエヴェイユ・イニシアッションクラス、小学生以上のコンセルヴァトワール同様の指導)
フランス生活で印象的だったことは、ダンスがアートとして認識され、より多くの方に受け入れられ、親しまれていることです。学び方も様々で、日本と同様、地域のダンス教室や、ダンスの授業がある小学校もあることはもちろん、より専門的に学ぶことのできる公立のバレエ学校のコンセルヴァトワールや、私立のバレエ学校も全国各地にあり、より多くの子供たちに、様々な学び方のできる門戸が開かれています。また、専門的に学び、職業にすることを目指す子供達には、学校の授業とバレエ学校を両立できる教育プログラムも用意されています。バレエレッスンで指導を行うバレエ教師は、必ずフランス国家の教師免許保有者です。(日本ではバレエ始めほとんどの芸術活動・芸術教育活動は、基本的に国からの補助もなければ専門的な機関や場所の提供もなく、趣味として、私費を投じて行う必要があり、バレエ教師の国家資格もありません。)
また、今でこそ、フランス語も話せるようになりましたが、私はもともと外国語学習がとても苦手でした。そういう方でも取り組み方を工夫し、努力し続けていれば、現地でお友達を作ったり、仕事ができるまでになるという希望を持ってもらえると嬉しいです。
そして、バレエで使われる用語は世界共通でフランス語です。同時にダンスは言葉以外の身体で表現する芸術でもあるため、常に言葉に出して話す必要もありません。転勤族家庭で育った私自身の経験からも、バレエは時により、新しい土地に馴染むきっかけともなります。ぜひ転勤・お引っ越しのあるお子様にもおすすめしたい習い事です。
当教室は専門的にダンス・バレエを学べる教室でありますが、決して身体的・才能的に恵まれた子供達だけのためのエリート育成所ではなく、ダンスが好きな子たちが夢中になって専門的に学べる場所であり、その子たちにとっての居心地のよい場所であり続けられたらと思っています。また、その多くの経験や学びをきめ細やかに指導したいという想いから、現時点では少人数制で指導しております。入会時にダンスやフランス語を習うことが初めてでも、本人にご興味があればもちろん大丈夫です。むしろ始めるきっかけとなれば嬉しいので、ぜひ体験へはお気軽にお越しください。ダンスという芸術活動が、生徒さんたちにとっての心身の成長に繋がればと願っています。
9年間過ごし、成長させてくれたフランスへ、何らかの形で貢献できたら、と思ったのも、当教室を立ち上げようと思った大きなきっかけの一つです。ダンスを通じて、そして当教室での活動を通じて、日本とフランスをより近い存在へ繋げていくことができたらと願っております。
主宰・バレエ/バロックダンス教師
Hikari TAKAMIZO
経歴
5歳からクラシックバレエを始める。日本の短期大学保育科で保育士資格・幼稚園教諭免許二種を取得後、2014年秋よりフランスへ留学。パリとトゥールーズのクラシックバレエ教師課程で学ぶ。2019年、トゥールーズ公立高等芸術学院 (Institut supérieur des arts de Toulouse) にて、フランス文化省が発行するダンス教師国家免許(クラシックバレエ) – Diplôme d’état de professeur de danse (classique) を取得。同年、公立トゥールーズジャンジョレス大学(Université de Toulouse Jean Jaurès) 学士課程修了。その後、公立リール大学院 (Université de Lille) にて17〜18世紀のバレエの原型といわれるバロックダンスに関する研究をし、2023年同大学芸術修士課程舞踊批評学科修了。2020-21年度フランス政府給費生。
フランス国内の公立ダンス・音楽学校であるコンセルヴァトワールでダンス教師として勤務。セルジー・ポントワーズコンセルヴァトワール(Conservatoire à rayonnement régional de Cergy-Pontoise)では専任クラシックバレエ教師 (2e cycle、3e cycle et DEC)・イニシアッションクラス教師、そしてオーベルヴィリエコンセルヴァトワール(Conservatoire à rayonnement régional d’Aubervilliers) の専任クラシックバレエ教師 (1er cycle、2e cycles、3e cycle et DEC)として経験を積む。また、2022-23年度にはPEAC(フランスの公立小学校での芸術体験プログラム)に携わり、作曲家とコラボレーションして小学生とのオペラ制作で振付・指導を担当し、自身もダンサーとして出演。
2019年〜2023年の間、フランスで集中的にバロックダンスに取り組み、フランス国内の多くのバロックダンサー・振付家からバロックダンスを学びながら、修士課程の研究題材とした。2021年〜2023年の期間にはThéâtre Molière Sorbonne劇団に参加、モリエールの作品である “病は気から(Malade imaginaire)” の公演に、ヴェルサイユのオペラ劇場をはじめフランス各地の劇場での公演で踊った。
2023年、これまでの経験を生かして日本でダンス・バレエ教室を開くために帰国。
フランスのコンセルヴァトワールでの勤務経験からより教育的観点からのダンス指導、保育科での学びと保育士経験からより子どもの心と体の発達に寄り添った指導法の追求、バロックダンス経験や2022-23年度に受講したリトミックのアトリエからの学びを取り入れた音楽性の習得のためのアプローチ、教師課程や大学・大学院で学んだ舞踊理論の知識のシェアを、指導する上で心がけている。
Diplôme
Diplômes
– Diplôme d’État de professeur de danse (option classique) délivré par le Ministère de la culture, France
– Master arts – pratiques critiques en danse (Université de Lille)
– Diplôme de puéricultice (Japon)
– Diplôme d’institutrice maternelle (Japon)
Bourses
2020-21 Boursière du gouvernement français
Langues
Japonais et Français
資格・免許
・フランス文化省発行ダンス教師国家免許(クラシックバレエ)
・芸術修士号(フランス)
・保育士資格(日本)
・幼稚園教諭二種免許(日本)
・赤十字幼児安全法支援員資格(2024年1月)
言語
日本語、フランス語
フランス文化省発行ダンス教師国家免許
保育士資格、幼稚園教諭二種免許
Diplômes de puéricultrice, institutrice maternelle
修士号Master (Bac+5)
Hikari commence la danse classique depuis l’âge de 5 ans à Tokyo. Comme elle a un grand intérêt pour l’éducation à la petite enfance, elle décide de devenir professeure de danse, spécialisée à l’enfant.
Elle étudie l’éducation à la petite enfance au junior college à Tokyo, puisque le diplôme pour enseigner la danse n’existe pas au Japon. À la suite de l’obtention de diplômes de puéricultrice et d’institutrice maternelle, en 2014, elle part en France pour étudier l’enseignement de la danse classique. Elle obtient l’EAT(examen d’aptitude technique), puis les UV (Anatomie-physiologie, Histoire de la danse, et la formation musicale pour danseurs), puis suivi un formation de la pédagogie de la danse dans des écoles de danse à Paris et à Toulouse. Elle obtient le Diplôme d’État de professeur de danse à l’Institut supérieur des arts de Toulouse en 2019. En parallèle, elle suit une licence arts du spectacle à l’Université de Toulouse Jean Jaurès. Ensuite elle obtient un master arts – pratiques critiques en danse en 2023 à l’université de Lille, afin d’acquérir ses connaissances dans le domaine d’arts et de danses. Durant son master, elle travaille notamment “la danse baroque” comme l’objet de recherche.
Elle travaille au conservatoire à rayonnement régional de Cergy-Pointoise en 2021-22 en tant qu’un des professeurs principaux de danse classique. Elle charge l’enseignement dans des classes différentes: Initiation 1 et 2, 1C1, 2e cycle, 3C cycle et DEC. Puis, enseigne au conservatoire à rayonnement régional d’Aubervilliers en 2023 en tant que professeur de danse classique : 1C3, 1C4, 2e cycle, 3e cycle et DEC, et dans une école de danse (privée) à Asnières-sur-Seine.
Elle participe en tant que danseuse, chorégraphe, et professeure de danse pour le projet “PEAC” dans une école primaire à Guéret en 2022-23, pour la création d’un opéra.
Non seulement le métier d’enseignant, elle participe au projet de Malade imaginaire du Théâtre Molière Sorbonne durant 2021-2023, danse dans plusieurs représentations.
Elle retourne définitivement au Japon en été 2023, pour enseigner la danse dans son pays natal.
フランスのダンス教師国家免許とは
フランスで、クラシックバレエ・コンテンポラリーダンス・ジャズダンスを教える場合、文化省から発行される « ダンス教師国家免許- Diplôme d’État de professeur de danse- »を保有することが義務付けられています。1989年にこれに係る政令が交付されました。当教室教師はこのダンス教師国家免許の、”クラシックバレエ”の免許を取得しています。
取得までの基本的な過程は、
実技試験
・E.A.T(クラシックバレエの指定バリエーション、創作バリエーション、即興)
理論試験
・解剖学と生理学
・舞踊史
・音楽
指導法試験
・指導法試験 (子どもエヴェイユ・イニシアッションクラス1つと、8才以上のクラシックバレエクラス1つ)
・AFCMD (ダンスの動きのアナリーゼ)
・面接
となっています。次の段階に進むためには各試験に合格する必要があり、全てを修了するまでに最短ルートでも3年ほどかかります。
その他、プロのダンサー経験者の為の別ルートの取得方法もあります。
教師課程在学中にはダンス学校で見学や実習に参加し、実地経験も積みます。
私の場合はトゥールーズコンセルヴァトワール、モントーバンコンセルヴァトワール、私立のバレエ学校、幼稚園・小学校で見学や実習をしています。
尚、フランスではこの免許なしにフランスでバレエ・コンテンポラリー・ジャズのダンスを指導することは違法となります。
(日本ではバレエ指導のための国家資格はなく、誰でも指導することができるのが現状です。)
最近、子供に関わる職場での日本版DBS導入が検討されていますが、フランスでは2015年の時点で既に、ダンス教師国家資格課程に入学する時点で、無犯罪証明書の提出が必要でした。そういうことも含め、安全にダンスを習える環境づくりに関しては、フランスの方が進んでいると考えています。